■大規模修繕におけるパートナーの役割

大規模修繕には専門的知識と判断が求められるため、パートナーの協力が不可欠であり、工事の発注方式により、設計事務所、管理会社、施工会社などをパートナーに選定します。そしてパートナーは次のような業務を行います。

  1. 建物の調査診断
  2. 修繕計画の基本プラン(工事範囲・仕様、概算費用)の作成
  3. 区分所有者等の合意形成のサポート
  4. 修繕設計と仕様書の作成
  5. 数量調書の作成と精算項目の設定
  6. 施工会社選定要領・手順書の作成
  7. 図渡し、現場説明
  8. 施工会社の選定補助
  9. 工事請負契約締結の補助
  10. 施工監理

大規模修繕は、多大な費用と時間を要する、管理組合にとっては一大イベントであるといえます。全ての場面で、難しい判断と手数のかかる作業が必要ですが、やはりポイントになるのは「発意・体制づくり」と「パートナーの選定」「施工会社の選定」になります。

■パートナー選びの留意点

  • マンションの大規模修繕に関する実績と、今回行うマンションへの技術的対応力
  • 管理組合の運営に対する理解、提案力およびコミュニケーション能力
  • 適正なコンサルタント報酬の提示

設計事務所をコンサルタントとして選ぼうとする場合、当然その業務報酬の見積もりを徴収することになります。
業務報酬は主として、必要な人員の延日数に一日あたりの単価を乗じるか、工事金額の一定割合で計算し見積提出されます。
しかし異常に低い金額の場合には、工事会社からバックマージンを取ることを前提として業務報酬を算定している可能性もあり、単に安ければよいという判断に陥らないように、総合的に見極める必要があります。

■パートナーとのつきあい方

  • 組合側の意向ははっきり示しましょう。
  • あらかじめ組合側の窓口を明確にしておきましょう。
  • 業務や責任の範囲はあらかじめ出来る限りはっきりさせましょう。
  • 疑問な点はなるべく早くパートナーに説明を求めましょう。

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